浜口です。最近なぜか、島根県に行くことが多い。今回は木次に泊まりました。
島根県の木次駅に停車している、木次線宍道行き。乗りテツに人気のあるローカル線。編成はキハ120という珍しい気動車一両で(一両では編成とは言わないのか?)、列車というより「鉄路のバス」といった趣。
今回は宍道から出雲横田まで、木次線に乗った。中国山地に向けての急勾配を、それほどパワーがあるとは思えない気動車キハ120がゼイゼイ言いながら、ゆっくりと上っていく。途中、川の流れが左右に行き交い、森の緑、田んぼの緑・茶、石州瓦の赤が車窓に。なんとものどかな、これは良き昭和の田舎の風景。宮崎駿の「千と千尋の神隠し」のワンシーンのようでもある。
車内には6人しか乗っておらず、うち2人は、ジャージ姿の女子高生。なぜか端のほうで、うち1人がつり革にぶら下がり、「キャッキャッ」と笑いながら鉄棒(吊り輪?)の練習をしていた。これが妙に印象に残ってる。東京ではあり得ない光景だが、木次線だと「そんなもんかな」と思えてくる。それほどのどか。
宿泊はこちら。天野館という旅館。木次は古くは京都・広島などから出雲大社に向かう商人・旅人が行き交う宿場町として栄えたそうな。そんな良き風情を残す宿。中は改装しているが、建物自体は明治に建てたものを残して使っているとか。木次は山側の隣町は竹下登元首相、海側の隣町は若槻礼次郎元首相の出身地と、宿の人が紹介されてましたね。若槻礼次郎が書いたという習字も見せてくれた。
木次は奥出雲の入り口。とにかく自然に満ち溢れている。町のシンボル、斐伊川に沿っては鳥・セミ・カエルなど生き物の鳴き声がにぎやか、あとは真っ黒だったり緑メタリックだったりと様々な色のトンボがあちらこちらに。斐伊川には沈下橋もあり、なにかとかの四国の清流、四万十川とイメージが重なる。当日は大雨の後で、沈下橋ギリギリの川の水は、赤だし味噌汁のようだったが。
最近巷では、パワースポットを巡る旅がはやっているらしい。出雲大社詣の際は、その後で木次まで足を伸ばしてみると良い。観光地化傾向が強い出雲市周辺とは、異なる感動がある。夕刊が来ない。日経は朝刊さえ売っていない。そもそも売店らしきものが駅にない。木次はそんなところではありますが。
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