景気循環論の説明力が低下?

浜口です。

米国の景気拡大期間が相当長くなっている。「景気循環論から見て、そろそろ景気後退局面ではないか?」との見方も聞こえてきます。私自身、景気循環論を用いた分析は大好きなんですが、残念ながら、この手法は最近、説明力が低下しているように思えるんですね。

在庫循環・設備投資循環・建設投資循環など、景気循環を見る指標がいくつかあります。このうち前者2つの多くは、製造業に関するもの。一方で日米の産業全体における製造業の比率は、日本が27%、アメリカが20%程度に過ぎない。年々低下してきた。一方で金融、小売り、サービスなどの第三次産業が占める割合は、日本が72%、アメリカ78%程度。年々上昇してきた。

したがって、製造業を中心に考える景気循環による分析は、ハマりが悪くなってきた。そう考えざるを得ない。う~む。このことは、個人的にはとても寂しいが・・・長い間には、産業構造には変化が起こりますよね。

でもこれを前向きに受け留めれば、ここまで長きに渡り景気拡大期間を迎えた米国が、循環論からそろそろ拡大局面が終了というロジックにはなりづらいとも言えますよね。