動き出すインフラファンド10兆円市場

浜口です。今回はパンローリングHP「渡辺幹夫のエトセトラ」コーナーに5月25日付で掲載されている記事を抜粋し、紹介させていただきます。皆さんのご参考になれば。

動き出すインフラファンド10兆円市場

2007/05/25, 日経金融新聞の一面トップには、「動き出すインフラファンド10兆円市場、『官から民』」へという記事が掲載されており、大いに眼を引いた(この文章を読んでいる方で、日経金融新聞を読んでいる方はどの程度いるのでしょうね?)。

冒頭の記事の内容は(以下引用)、「道路や空港、港など社会資本事業に投資する「インフラファンド」が、日本でも本格的に動き出した。日本では三菱商事が年度内にファンドを新設して参入する。株式や債券に代わる安定的な投資先として年金基金など機関投資家が注目。二〇〇六年度末の世界の資産残高は市場推定で八兆円前後と、前の年度に比べ約二倍に増えた。民営化が進むインフラの担い手として定着し始めた」というもの。

既に広く知られている通り、これまでこの手の投資は公共投資として扱われ、昨今は公共投資縮小のあおりを受け、インフラの維持・更新は必須ながら、費用は今後どうなるのかと懸念されていた分野である。引き続き下記に記事を引用する。

「インフラファンドは社会資本の建設や維持、運営する会社や事業権に資金を投じ、通行料や使用料などで収益をあげる仕組み。投資先は成熟した社会資本が中心で、投資資産の寿命が三十―四十年と長いことが多い。」「三菱商事が狙うのは、今後続々と民間に任されるようになると見られる国内の社会資本の運営事業。高度成長期に作られた道路や港が本格的な補修の時期を迎えるが、国や自治体の懐に余裕はない。「今後のインフラ維持には、民間資金活用が不可欠」(金融事業本部)というわけだ。」「国土交通省の推計では、道路や港湾など社会資本の維持コストは二〇三〇年度には十兆円を超え、現在の二倍程度に増加する。国や自治体の財政に余裕はなく、民間資金の活用なしに社会資本の維持は難しくなる。」

そして「海外ではインフラファンドの運用残高が急増している。昨年度八兆円規模だった残高は、二〇〇七年度には十兆円規模に増えるのが確実視されている」とのことであり、外資の主なインフラファンドの設立金融機関として、この分野に強いマッコーリーグループの他に、ゴールマンサックス、クレディスイス、モルガンスタンレー等おなじみの投資銀行グループの面々が掲載されている。

さて
既にご案内の通り、建築投資循環と設備投資循環が複合する「黄金サイクル」により、2010~2012年にかけての景気・株式相場の上昇が見込まれる。建設の公共部門についてはこれまで、莫大な更新需要が存在することがわかっている一方、公共投資の削減の中で資金をどうするかが課題になっていた。しかし当記事に書かれている展開になるとすれば、資金面でのメドがつくことになると思われ、今後に期待できる。

最近の株式市場では、グローバル展開により首尾よく成長できている企業が物色される展開になっているが、そろそろ循環物色のお鉢が、内需型の低位バリュー銘柄に回ってきてもおかしくないと考えているのであるが、いかがだろうか?

この記事といい、先般、5月22日日経朝刊の「日本橋・兜町に新金融街、金融相構想―容積率緩和など、骨太方針に明記目指す」といい、どうも足元で、内需型の低位バリュー銘柄にフォローな報道が相次いでいると思うのであるが、さあ、どうなるか?

ちなみにインフラファンドの起源は90年代のオーストラリアで、現在、オーストラリア証券取引所には、212本のインフラファンドが上場し、時価総額は4兆円であるという。同じような状況が、日本で再現されない理由は特段見当たらないと思うのであるが、いかがか?「小さな政府」を目指す日本の国策とも整合的であると思うのであるが・・・・。

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