日本証券アナリスト協会の「証券アナリストジャーナル」

浜口です。

さてみなさん、「証券アナリストジャーナル」という月刊誌をご存知でしょうか?下記が日本証券アナリスト協会HP内のアナリストジャーナルのURLです。訪問してみてください。何やら、小難しそうなテーマが並んでいるのが見て取れると思います(笑)。

http://www.saa.or.jp/publication/kounyuu.html

私の手元には、毎月欠かさずこの証券アナリストジャーナルが送付されてきます。実は、アナリスト資格を得ると、無料で送ってもらえる本なのです(アナリスト会員の登録費用等は原則、すべて所属している会社が払う仕組みです。以上から、自分で買っているという意識は希薄です)。もちろん、一般の方向けに外販もしています(千代田書店茅場町店、丸善丸の内本店で店頭販売しているとのことです)。

日本証券アナリスト協会が定期出版しているこの本は、歴史もあり、権威もある研究論文月刊誌です。しかし本音を言えば、個人的にはこれまで、注目することはあまりありませんでした。もう18年にわたり毎月送っていただいて、このような失礼なことを書くのも心苦しいのですが、運用実務に役に立つ部分はあまりないと思われたのです。

要は証券アナリストジャーナルは、大学の研究的な色彩が強いのです。「研究のための研究」といった印象で、私のように運用の実務に携わっている立場からはなんとなく議論がカラ回り、役立つノウハウという点では???と思われたことがしばしばだったのです。どうやらこう考えているのは私だけではないようで、いつか紙上で実施された行動ファイナンスの討論会の中で、「株式運用に関する実務的なノウハウは、大学側ではなく、すべてアセットマネジメントの実業界にありますからね!」と噛み付いていた業界の重鎮がいました。我が意を得たり、まあその通りだよなと思ってました。

ご参考まで、拙著の中で、以下を書いた箇所があります。実はこの内容は、同著の論文をいくつか読んでの印象なのです。

 「歴史は繰り返す」という判断を否定的に考える向きもいます。どちらかといえば投資の実践者というよりは、研究者に多いタイプでしょうか。「株価はランダムウォークをする(酔っ払いの千鳥足のように秩序なくフラフラする)。だから何人たりともフリーランチ(タダ飯の意)にはありつけない」とする、効率的市場仮説の支持者たちがそれにあたると思います。
 どちらが是か非か、このあたりは議論しても不毛です。思想の違いということでここでは片付けたいと考えます。 ただし話は少しそれますが、個人的に、効率的市場仮説の支持者たちは非常にもったいないことをしているという思いを禁じ得ません。どうせ研究に時間を割くのであれば、どうやって儲けるかについて研究したほうが「割に合う」と考えるのですが、そう思うのは私だけでしょうか? 生涯をかけて「超過収益は得られないぞ」ということを深く掘り下げて行くのは、いかにも報われないような気もするのです。いかがでしょうか?

しかし先般、この証券アナリストジャーナルの中で、なかなかに注目すべき記事がありました。名誉回復を期して(?)次回のこのコーナーで、コメントすることとします。それではこの辺で。

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