「相場はデフォルメされた世界」との理解が正解か?

浜口です。
昨今のサブプライム騒動、またそれに伴うマーケットの動きを見ると、相場はデフォルメされた世界だなと、つくづく思います。通常の社会生活では考えられないような過剰反応、ヒステリーが、頻繁に繰り返し起こる。すぐみんな狂う(笑)。

サブプライムの悪材料は針小棒大に言われ(私見ですが)、市場参加者が振らされる。まあ極端ですわ。これが金融市場の現実ですよ。大人の世界なのにね。滑稽なくらいですよ。冷静でない市場からは、少し距離を置いて考えると良い。

以下、当方が2006年1月に書いた寄稿文「相場はデフォルメされた世界」を掲載します。皆さんの参考になれば。

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以下の事例をどう考えるか?

1.みずほFGの株価は、2年8ヶ月で16.6倍の上昇(2003年4月の58300円に対し、2005年12月の株価は966000円)。
2.住友金属の株価は、3年1ヶ月で13.7倍の上昇(2002年11月の36円に対し2005年12月の株価は493円)。
3.富士通の株価は、3年3ヶ月で94%の下落(2000年1月の5030円に対し、2003年4月には300円)。

各銘柄とも、株価の大幅変動には相応の材料があったのはもちろんである。しかし株価が乱高下しやすい中小型株ならばともかく、このような時価総額の大きい日本を代表するような銘柄の株価騰落率が2~3年間で簡単に10倍を越す状況は、社会通念上、明らかに常軌を逸しているように思われるが、いかがか?この状況を投資家は、どう考え受け止めたら良いのだろうか?

「相場はデフォルメされた世界」と割りきって対応するべき・・・・・・これが以上に対する回答である。そして次のように認識すれば、現実に即している。『株式市場では過剰反応から、株価バリュエーションはしばしば常軌を逸してデフォルメされる。これが現実。古今東西、相場とはそういうもんだ』
相場のデフォルメを作り出すのは需給。デフォルメ需給を作り出すのは歪んだ(行き過ぎた)投資家心理に起因する過剰反応。株式市場では、誰もが良さそうと思われる銘柄は過大評価され、だれもがイマイチと思う銘柄は過少評価される。これもまたデフォルメ。そしてこれを取りに行こうというのが、バリュー株投資戦略の趣旨の一つである。事実として存在する足元のデフォルメをどう利用するかという視点を、投資家は持つべきだ。

Good Luck!!!

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