浜口です。kerogasoさんからの質問に回答します。
アツギは資産の質と比較して時価総額が低すぎるように感じています。ここに限りませんが社歴の古い会社の中には取引先の一流企業の上場株式や都市部の土地を山ほど持っているところがありますね。いまの利益水準は大したことがなくとも、デフレ時代に戻る可能性が低い現在、そういった会社の株式が捨て値で放置されているのはいかにもおかしいと感じています。アナリストの方々はあまりB/Sを重視していないような印象があるのですが、職業的投資家のお考えをお聞かせいただければ幸いです。
結論から言えば、「アナリストの方々はあまりB/Sを重視していないような印象」を当方も持っています。これで良いのだろうかと、心底思います。しかし、これが現実です。
以下、本件について、当方が「黄金サイクルと農耕民族型投資戦略」の前に執筆した本から引用いたします。
アナリストはグロース株指向?
さて仕事柄、アナリスト・レポートを際限無く読んでいる中で、日頃から感じていることがある。バリュー株のレーティングが、総じて芳しくないのだ。グロース株と比較して、アナリストのバリュー株に対する評価が相当厳しいように思われる。明らかに割安で良質なバリュー株であっても、足元の業績が良くない銘柄に対しては、良くて“2”とか“ニュートラル”のレーティングに留めているアナリストが多いようだ。そして皮肉にも、レーティングが“2”とか“ニュートラル”のまま大幅上昇しているバリュー銘柄を発見することが、少なくないのだ。
この点について実際に何人かのアナリストに尋ねたところ,「フローの業績が改善する、あるいは改善の方向が相当確からしいと判断されなければ、バリューが安いというだけで買い推奨することはない」という回答が多かった。しかしアナリストの評価は、企業の財務格付けではなく,株式に対する投資判断ではないのか。株価が割安な状態を評価して、より高いレーティングをつけることをしても良いのではないか?そして銘柄評価をする上で、もう少しバリュー株に対しリスクを取っても良いのではないか?以上が、筆者の偽らざる感想、というより意見である。・・・引用終わり
こんばんは。早速質問に回答いただきましてありがとうございます。やはりそういった感じですか。参考になります。