商品価格急騰にもかかわらず国内のインフレは安定

浜口です。前回の書き込みで「次の機会に詳しく」と書きましたが。いきなり同じ日に続きを書きます。はからずも本日の日経朝刊3面に、「インフレ圧力、世界で」という記事がありましたよね。

しかし世界でインフレ圧力が高まっているといいますが、記事のコメントを見ると、これは主に新興国の話ですよね。日本については、「日本は消費者物価上昇率は1%台。海外のインフレの深刻さは実感しにくい」と一番最後に小さく書いてありましたが・・・

本日朝の書き込みの続きです。「スーパー・インフレ」にもかかわらず、よほどのことが起こらない限り当面、日本にインフレ時代はやってこない当方が考える背景について。

「スーパー・インフレ」の原因となっている一次産品、これは件の中国餃子もそうですが、かなりの部分が輸入品なんですよね。でも調べてみると、日本経済における輸入品は、絶対額・対GDP比率とも、実は想像されるほど多いわけではないんです。

具体的には、2007年の国内GDPは約515兆円ですが、この中で輸入は70兆円、割合は14%弱、なかでも「スーパー・インフレ」の原因となっている一次産品(原材料費)が占める割合は35兆円~45兆円、7~8%に過ぎない。

一方でもう一つ、インフレの原因となり得る人件費について。政府が公表されている数値「国内の給与所得(含む保険等)」は、250兆円に達しています。この中の人件費部分は、ざっくり見積もって200兆円前後。「スーパー・インフレ」の原因の一次産品(原材料費)の約6倍に相当。この人件費部分が上がってこないので、商品価格の上昇がインフレにつながっていないというわけです。

実際、若い人を中心に、足元では給料がなかなか上がらない状況ですよね。逆に言えば、この部分が上がってしまえば、インフレにつながってしまうのかもしれませんが。

続く次回

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