浜口です。前回の続き。ではなぜ国内の人件費が上がらないのか?それは日本企業が、中国に代表されるアジアの新興国の安い賃金を取り入れる努力をしているからです。
図は、JETROのデータを基に作成した、アジア諸国一般職工の月給比較表です。アジア新興国の賃金は、日本と比較して10分の一から20分の一の水準にあります。この割安な賃金のせいで、日本国内のインフレが安定しているというわけです。
アジア諸国一般ワーカーの月給比較
国名 月給
ドル建て 円建て(1ドル=100円)
日本 3,090 309,000
中国 174 17,400
インド 246 24,600
ベトナム 143 14,300
タイ 164 16,400
インドネシア178 17,800
例えば東証一部の製造業の場合、アジア新興国に製造拠点を構えていない企業はほとんどないのではないでしょうか?日本企業は商品をアジア新興国で製造することにより、このような低賃金のメリットを取り入れているというわけですね。ふりーパパさんがコメントされている「日本がお得意の技術であるデジタル製品」なども、低価格品を中心に、製造に新興国の低賃金を取り入れてますよね。
また現状でこのぐらいの賃金水準が今後、かつての昭和30年代の日本のように、数年かけて2倍になった程度であれば、日本企業のコスト高に与える影響については限定的だと思います。
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