浜口です。太郎様の質問に回答します。
太郎様:浜口先生、こんにちは。先生の著作を参考に、農耕銘柄を購入しました。サブプライム問題後期になって購入したため、水準的には、良い感じです。
農耕銘柄ユニバースは、値動きを見ている限り、トピックスをアウトパフォームしているのではないでしょうか?大荒れの相場状態を脱したので、既定どおり、数年のスパンで大きな上昇を取りに行く戦略で間違っていないのでしょうか?それとも、サブプライム問題や、景気減速のリスクを鑑みて、銘柄ごとに、早めに利食うほうが、臨時的な戦略として、有効なのでしょうか?
浜口:難しいタイミングでの回答です。暫定的意見ですが、当面、折衷策でどうかと考えます。
3月のベアスターンズショック以降、金融不安は後退しており、株式市場は日米とも当面の最悪期を脱しています。しかし米国は、政策総動員でサブプライム対策を行っているものの、一方で住宅価格は下げ止まらないのが現状、以上から米国経済は当面、片肺飛行を余儀なくされそうです。年後半は、足元の景気刺激策の剥落から株式市場が2番底をつける可能性もあります(つけない可能性もある。ここが難しい)。日本株ひいては低位バリュー銘柄も、当面は米国経済・株式市場の影響を受けることになりそう。飛行機でたとえて言えば、米国経済・株式市場の影響を受け乱気流に巻き込まれることがまだありベルト着用のサイン点灯は継続、ただし、墜落することはなさそうといったイメージでしょうか。
以上から当面、低位バリュー銘柄投資は、長期保有玉をある程度維持しつつ短期利食いポジションも併せ持つ、両にらみ戦略で市場に対峙したらどうかと考えます。比率は太郎様の目先の相場観次第です。
なお拙著前半の相場観については、拙著に記載のとおり執筆段階で「相場・景気循環を左右する大きな出来ごとが発生しない」ことを前提に書いてます(このようなことの発生を予測すること自体無理がありますので)。しかし早速発生した「大きな出来ごと」、件のサブプライム問題がもたらした市場・経済に対してのインパクトは当方の想定を超えており(米国住宅バブルの崩壊は従来から視野に入れていたが、ここまでインパクトが大きいとは思っていなかった)、一部、見直しが必要になっていることも事実です。今後の見方については、当ブログで書いていきます。
ご回答ありがとうございます。
年後半にも難局があるかもしれないのですね。
思っていたより、慎重なスタンスに感じました。
ご意見をうかがえてよかったです。
銘柄によっては、利食いも視野に入れて、
様子を見て行きたいと思います。
ありがとうございました。