浜口です。
少し前の話になります。10月後半に日経平均で7000円割れ、為替が円ドルで90円台という強烈な株安円高が発生しましたが、「いったい誰がここまで株を売って円を買ったのか?」主たる「犯人」が、ここに来て判明してきました。このたび公的資金注入を受けた欧米の大手金融機関の一部が、多くは彼らが資金運用を依頼しているヘッジファンド経由で、株売り・円買いを行ったという説が濃厚です(つまり手口としては、ヘッジファンドが売却ということになると思います)。もちろんこれに、投機筋も相乗りしているのでしょうが。
これら金融機関はこれまで、資本不足により不良債権の償却やリスク資産のポジション解消が出来ず、四苦八苦していました。この状況下で欧米では公的資金が投入、もしくは投入が内定したため、これを原資にリスク資産のポジション解消可能になった。その結果、彼らが一気に資産圧縮・換金を行う売買が重ない、このことが、このたびのセリングクライマックスをもたらした・・・というのが真相のようです。つまり公的資金投入が皮肉にも、このたびの一時的な暴落の引き金となったというわけです。
円高は、円キャリートレードの巻き戻しが重なったことに起因します。つまり従前のヘッジファンドの「円売りー外貨買い」の手仕舞いに伴う「円買いー外貨売り」が一度に集中し、強烈に円買い需要が発生した影響が大きいわけです。
今後はどうか。このようなポジション解消売りは、峠は越えたとはいえもうしばらくは続く可能性があります。つまり今後は、公的資金を投入されていない金融機関による、資産圧縮・換金売りが想定されるからです。彼らは市場の状況をみながら、出来る範囲で資産圧縮を図ることになるのでしょう。つまり下値を叩くのではなく、上値を抑えるイメージ。但しこのような資産圧縮は、ファンダメタルズが回復すれば必要なくなる類のものなので、最終的には経済環境次第ということになるんでしょうね。
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