浜口です。「同じ月を見ている」海外機関投資家ウォッチャー様から、質問をいただきました。以下、回答します。
「買い場は何月か?」という質問は、現在の相場水準は底値圏と思っていますので、既に買い場ゾーンと考えています。当方は2月以降、時間分散で段階的に手持ちキャッシュを逐次投入しています。あらかじめ月額購入額を決定し、その中で相場観で、月中の安いところを拾っています。3月分も買い終えました。4月分以降も買います。
当方が現状が考えている日本株のシナリオは、まあ6月あたりまでには底を打つ、早ければ3月にもというものです。どこが底かは、底打ちした後、事後的にしかわからない。一例ですが、どのタイミングでどのような政策が出て、それがどのようなタイミングでどの程度インパクトを市場にもたらすのかが、常に事前にはわかりませんので。まあ評論家の立場からは、いくらでもスムーズにコメントが出るのでしょうが・・・
この相場、3ヶ月や半年の市場低迷は誤差の範囲内と思っており、一喜一憂するつもりはまるでありませんし、その必要もないポジションを取ってます。日経平均が新安値に売り込まれる可能性もありますが、そのような状況はあっても長続きはしない・期間限定と考えているので、まったく柳に風、好きにしてもらって良い・・・・これも、以前書いたとおりです。
いつ上がっても良いように、徐々にしていきます。だって、相場のほうが半年も経済に先行するのだから。
個別銘柄について、一例ですが、5805昭和電線のような銘柄のことを言っているのでしょ?投資したくなりますよね。お気持ちはわかります。おそらくは問題はないんでしょうが、業績不振の問題以上に、銀行の融資厳格化(俗っぽい言葉で言えば貸し渋り)に伴うリスクが非常に高まっている。こちらがね・・・・。かの8591オリックスでさえ、変なうわさで一時的に株価が売り込まれるほどの(常識では考えられませんよね?)、イヤな局面ですよ。まあこの銘柄の名誉のため書きますが、野村が先日買い推奨をしたことが影響してか、株価が戻りだしてますけどね。
当方からのアドバイスですが、現在のような、常軌を逸した外部環境の悪化に起因した例外的に経済が悪い状況の中では、ご指摘のような銘柄への投資は現状は控え、売り込まれている造船、商社、銀行などより質の高いブランド大型株のほうが良いと考えます。当方も追加投資分は、そのような銘柄に行っています(含む各種ETF)。信用リスクの面に加え、市場全体が正常化し戻る過程では、質の高いブランド大型低位株のような「人気株」のほうが先行して上昇すると考えているからです。その後で銘柄スイッチするほうが得策と現状では考えます。
以下、ご質問を引用します。
浜口様、3ヶ月のごぶさたです。タイトルとは関係のないことをお許し下さい。また例のごとく四季報での某機関投資家の動きを確認しましたが、ほとんど動きはありません。しかし、株価の表示は2月25日前後が多く、このあたりで原稿を締め切ったのでしょうね。日経平均が約7千円付近の3月上旬の動きを確認するには次回の四季報発売まで待たねばなりません、残念です。実は、この動き、昨年と全く同じです。ということは、次回の買い場は○月ごろですかね?
ここで少し質問したいのですが(差し支えない程度でお答えいただければありがたいです)、浜口さんの著書では「配当がゼロ」になればポジションを外すとのことでしたが、現在の状況では減配又は無配の企業が増えてきており、当該機関投資家も無配低位バリュー企業に惜しみなく投資しています。「株高時の東証一部上場企業でPBR1.0割れは5%前後であり、この5%に該当するのは赤字又は無配企業である」ということを前提に浜口さんの手法を実践している私にとって非常に悩ましく、無配企業に投資しようかどうか迷っています。このあたりをどう考えるべきなのでしょうか?(もちろん最後の決断は自己責任です、ということを申し添えます)
海外投資家の2000年以後の買い越し額と、2008,2009の売りこし額を計算すると、海外投資家の売りはまだ序の口であることが分かります。またバブル頂点のころくらい海外投資家が買ってくれることを期待するのは危険だと思うのです。