週間ダイヤモンド4月4日号「大不況の経済学入門」は、挑発的なタイトルのセンスはさておき(この手の経済雑誌は、どうしてもこうなりますよね)、内容は相当の力作と感じられました。「保存版」だと思います。ご一読をお勧めいたしします。
さまざまな分野の分析家が紙面3ページにわたり、「誌上講義」の説明を行っています。この中でも特に、高安秀樹氏による「バブルとその崩壊は繰り返される?」が印象に残りました。経済物理学に関する分析です。この分野は難解な本が多いのですが、このコーナーではこの学問のエッセンス部分を簡潔にかつわかりやすく説明しており、素晴らしいなと感じられました。「市場価格を安定させることはそもそも不可能。暴騰と暴落がつきまとう。経済物理学はそのことを明らかにしている。今後もバブルとその崩壊は繰り返されよう。」「マーケット変動は正規分布に従っていない。」こんなあたりのデータ分析を用いての説明です。
また、北村行伸教授の「大恐慌により1873年大不況にそっくり?」も、タイトルにはあまり賛同できませんが(笑)、説明内容には興味を惹かれました。「よく整理された世界経済史解説」として、価値ある内容と思います。1770年、イギリスの産業革命以降の世界経済の流れについて、わかりやすく説明されています。
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