「このままだと」2番底?

先般紹介しました堺屋太一氏の新著「凄い時代」ですが、やはり示唆に富んでましたね。

うなずかされるところがいくつもありましたが、この中で特に目を引いたところを一点紹介します。「中国の不況は初期的調整。一年で立ち直る」というところ。以下、ポイントを。

1. 今、中国が経験するのは「初期的調整」。経済の工業化初期に、一時的な需要停滞で生じる成長鈍化の現象である。
2. 日本はこれを1965年、東京オリンピックの翌年に経験した。韓国は83年の冷害の年にそれを迎えた。東南アジアの国々は、97年のアジア通貨危機がそれであった。いずれの場合も「谷」は深かったが、期間はほぼ一年だった。

まあ、そのとおりなんだろうなというところですね。

さて一方でこの本の副題は、「勝負は2011年」。先進国では2011年にかけ、このままだと金融不況から実態不況へ、「2番底」が来ると指摘しています。まあこのような2番底シナリオを唱える向きは多いですけどね。大恐慌のときのアメリカも、バブル崩壊後の日本も、「2番底」があった。

ただし「このままだと」ということがポイントのように思われます。大恐慌時のアメリカ・バブル崩壊後の日本など、過去の事例とその学習効果もあることから当然、「このまま」無策で終わる可能性は高くないようにも思えます。加えて前述のように、中国経済は一年で立ち直るとの見方。これが世界経済を牽引するとは言わないにせよ、2番底が仮にあってもマイルド化させる。

マイルド化に貢献する度合いは?これはまあ、現時点では、わかりませんけどね。

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