浜口です。ある投信会社の日本株ファンドマネージャーと年末にランチをしました。彼とは20年来の付き合いで以前は同じ職場。そのときの会話。
投信FM:投信業界は今年は、「ブラジル」「オーストラリア」ばかりだった。これだとファンドの企画をしても社内ですぐに通る。日本株投信の設定は本当に少なかったなぁ。
浜口:うーむ。「ブラジル」「オーストラリア」は説明がしやすいので、販社、特に銀行受けする側面もあるんだろうなぁ。「ブラジルは経済が好調、オリンピックも決まりました!」とかね。
「ブラジル」「オーストラリア」が人気⇒そちらに投資資金が集中⇒日本株投信に資金が来ない、あるいは資金流出、今年はこんな図式だったかな。
投信FM:そうそう。特にブラジルは大ブームといってよく、どの投信会社でもファンドを設定しまくってる。しかし・・・・・これまでの経験では、概してこの手のブームは長続きしないんだよな。大体が最後は、あまり良くない着地が待ってるんだが・・・・ブラジル政府も資金流入し過ぎを是としていない。むしろ嫌がってるし。
浜口:なるほど。ところで相場は人気離散⇒人気化の繰り返しとすれば、来年は足元で人気離散してる日本株の出番ということになるのでは?日本はここから金融緩和、一方で他国はここから出口探しと、経済対策も「周回遅れ」である点も考えれば。
投信FM:そうそう。まず中国の経済成長はほぼ当確だから、中国株は本命。それに関連する日本株も面白い。インドは政治面が弱いからリスクが高く、当面、あまりかかわりたくないが・・・。しかし運用会社にいると、社員の株式個別銘柄投資の規制が多くて困るな。届出なしだとETFぐらいしか出来ないんだよな。
浜口:うーむ。当方は会社にシンプルな届出を出しながらやってる。周りにもそういう人は結構いるが・・・そのあたりは比較的おおらかな会社だな・・・でもそのうち、BGI(バークレイズ・グローバル・インべスターズ・グループ)あたりが中国株でレバレッジがかかったETFなんてものを続々開発してくんじゃないだろうか?これは商売につながるでしょう?世界的に。中国インフラ関連のレバレッジETFとかね。
投信FM:そうだな。となると来年の日本株は、テーマはやはり中国かな。
浜口:うーむぅ。アジア、その中でも中国というところなんだろうな。投資家の信用という点からは、新興国はドバイのようなケースが今後また出てくるようだと、逆に経済成長がほぼ当確のアジア・中国に投資資金が一極集中するシナリオも想定されるな。
その場合、日本株は中国株の代替投資になるかがポイントだろうな。高成長ながら高リスクの中国経済を、より低リスクの日本株で取る投資活動は合理的、割りに合うと思うが・・・あと世界経済の回復基調がより鮮明になれば、日本株もよりリスクを取って良いムードになり、そうなると資金流入、日本株投信の新規設定増加、これによる株価上昇もあるんだろうけどなぁ。
あとは銀行株だろうな。きっかけは何でも良いが、これが上がれば市場のムードは良くなるよ。
本年もお世話になりました。良いお年を。
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