実質実効為替レートの怪

浜口です。最近巷で、特に週刊誌において、「1ドル60円説」が横行しているように思われます。立ち読みしてみると、「実質実効為替レートで計算すれば、1ドル60円でもおかしくない」という点が根拠であるケースが多いようです。
でもね、素朴な疑問で、なぜ為替レートだけいまさら、インフレ率を除いて計算するんでしょ?経済のデータは、それこそ企業のP/L項目やB/S項目、すべてが名目ベース。当然EPSもね。株価や債券価格などについても、名目株価と実質株価なんて分類はしないですよね。すべてが名目ベース。
1ドル60円説は、民主党の小沢氏批判とともに、週刊誌の売り上げ増に大いに貢献するネタとして、マスコミにいいように使われているように思えてならない。「大変なことになるぞ!」というオドカシに最適?
でそのあたりに詳しい人に聞いてみると、やはりマスコミの陰謀であると(笑)。「実質」で実効的な為替レートと書くと、よくわからないシロウトさんは、これこそホンモノっぽいと、真に受ける。そこを週刊誌が狙っている、どうやらそんな構図らしいんですね。
なるほどね。ある意味わかりやすい。でも一例ですが、実質GDPはホンモノで、名目GDPはガセですか?そんなことないですよね。計算する根拠が違うだけ。
「実質」実効為替レートは日銀のHPに掲載されているそうですが、これだけだとミスリードにつながるので、最近は「名目」実効為替レートも掲載するようにしたらしい。
ちなみに名目ベースでは当然、現状の円ドル相場にかなり近い数値が算出されることになりますよね。
以上が、当方の実質実効為替レートの受け止め方。要は様々にある為替のフェアバリュー(という言い方は適切なのかな?)の考え方のひとつ。現状、最も円高よりに説明がつく考え方のひとつということですよね。くどいようですがこれは考え方のひとつなので、これを盲信すると「高くつく」と思う。

Comments

  1. 名目と実質 says:

    はじめまして
    気になった部分があったので。
    >すべてが名目ベース。
    名目は物価調整前、実質は調整後です。
    >なぜ為替レートだけいまさら、インフレ率を除いて計算するんでしょ?
    そのインフレ率を加味したレートが、60円うんぬんですが・・・。だから週刊誌が騒ぎ立てています。そこまでの値段になる事はないでしょうが。
    話の内容を読むと、名目と実質が合っている所もあるので、混ぜこぜになってしまっているようです。

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