浜口です。ちょっと驚いた話。
世界的に株価が下落している。こうなると市場では、「犯人探し」が始まるのが常ですよね。特に、ファンダメンタルズの変調理由を探したくなる。で、後講釈が始まる。そのほうが説明がつくから。特に、素人に対しては。
当方は、米株10月安アノマリーの理由で書いた内容、及びこのことを熟知しているヘッジファンドの便乗売りが、わずかな悪材料に伴う相場の下落率を大きくしていると判断します。NYダウ30ドル安ぐらいで良い悪材料を、200ドル安ぐらいにしてしまうイメージかな。短期的には。
今、巷で広く言われているまっとうな(?)ファンダメンタルズの悪材料は、欧州の景気減速でしょう。なかでも経済大国のドイツが良くないと。具体的には10月7日に発表された8月のドイツの鉱工業生産指数前月比は、マイナス1.5%程度が市場のコンセンサスだったが、開けてみたらマイナス4パーセント。これが衝撃的だったと。
このあたりを当方の会社の欧州を見てるエコノミストに尋ねてみた。すると氏曰く。ドイツでは例年8月は自動車生産が落ち込む傾向があり、8月に鉱工業生産指数が下振れするのは、実に実にありがちな話と。
生産が落ち込む理由はなんて事なくて、要はドイツ国内が夏休みで自動車工場の稼働率が落ちるためと。但しメーカー・工場の休みが重なると生産に混乱をきたすので、普段なら上手く秩序立てて各メーカー・工場ともお互いに休みの時期を調整するが、今年に限っては理由は不明だが、その調整がうまくいかず、結果、8月の生産が大きく落ち込んでしまったと。
しかし8月には落ち込んだ生産は、9月には既に急回復している。具体的には8月のドイツ自動車生産は8月、27.5万台に急落したが、9月には52.8万台に急回復していると。
この状況では9月のドイツ鉱工業生産は大幅は反発が必至。仮に9月がプラス3%を超えれば、今年7-9月期の自動車生産は4-6月期比増加となり、ドイツはもちろん、ユーロ圏全体の7-9月期成長率は回復が期待されると。
う~む。彼の意見が正しいのなら・・・おそらく正しいと考えるが・・・欧州の景気減速説はどこかで消えてなくなり、相場は11月あたりから回復する公算が高いが、どうなるか?
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