「原油安はアメリカのQE3終了が引き金」との仮説が、日経ヴェリタス2月3日号に記載されています。書いているのは、BNPパリバ河野チーフエコノミスト。参考になる考え方と思われますので、要旨を。一部加筆してます。
・14年10月以降の原油価格急落については、米QE3の終了が引き金だったと考えている。
・本来なら11年半ばに中国の高成長が終了し、原油の重要が鈍化した段階で原油価格は急落しても不思議ではなかった。しかしQE3が生み出した過剰流動性が原油価格を高止まりさせた。
・QE3の終了で投機マネーが流出し、原油価格の急落が始まった。それまでに大きな不均衡が蓄積され、その後遺症が現在、現れている。
・本来なら中国の高成長が終わった段階で、資源開発ブームも終焉するはずだった。しかしその後も原油高が続いたため、資源開発に携わる人達は原油高を恒常的なものと誤解し、その後も開発ブームは止まらなかった。サウジアラビアなど産油国の一部が、シェール潰しのために原油安を容認しているのではなく、行き過ぎたシェールブームによる供給過剰が、原油安をもたらしている。
さらに要約すれば、中国の高成長終了⇒本来は原油の需要減⇒ところがQE3で投機マネーが原油市場に⇒企業はHY債により資金調達を行ない、シェール開発は必要以上に加速⇒ここきてついに供給過剰が表面化。そんな流れでしょうね。
先般のエコノミスト誌では、「原油安はサウジアラビアなど産油国の一部が仕掛けたシェール潰しであることは明らか」と説明していました。しかし当方には現状、この河野チーフエコノミストの説明のほうが胎に落ちます。氏は今回のことを「原油バブル崩壊」と説明してますが、これも違和感ない見解です。さあ・・・どうなるか。
Speak Your Mind