黄金サイクルと農耕民族型投資戦略

こんにちは、浜口です。 

このコーナーはブログですので、株式運用について日々考えることを書くべきなのでしょうが、その前に小生の現在の長期的な景気・相場観と、これを受けて最適と考える投資戦略について、ラフにご説明しておきます。(拙著「黄金サイクルと農耕民族型投資戦略」【パンローリング】の前書きからの抜粋・加筆)。

私は、今後の長期的な国内景気・株式市場について、極めて楽観的な見方をしています。具体的には「第三の黄金サイクル」(=建設投資循環と設備投資循環がともに右肩上がりになっている状況。いざなぎ景気、平成景気についで戦後3回目)に突入している日本の景気循環がポジティブインパクトをもたらすことで、紆余曲折はあるにせよ、国内株式市場は2010年前後にかけ上昇する公算が大であると考えています。バブル崩壊以降十数年を経て、冬の時代を余儀なくされていた株式市場は、ついに雪解けを迎えました。まさに株式投資の季節到来です。本書ではまず、そう考える背景について、説明を行います。そして来るべき上昇相場をどう取るのか。この問いに対し私は、低位バリュー銘柄に分散投資を行うべしとの明快な回答を持っています。景気・金利など市場の外部環境の変化に伴い、有効な投資戦略もまた変化していくものです。つまり、いかなる局面においても成果が上がる投資戦略なんて都合が良いものは、ハナから存在しないわけです。このような中、「第三の黄金サイクル」を取るための株式投資戦略としては、低位バリュー株への分散投資が最も適していると考えています。以上からここでは、私が「農耕民族型投資戦略」と呼んでいる低位バリュー株投資戦略を紹介します。

 おそらくはここから数年間、株式投資家にとってフォローな環境が続くことでしょう。このような局面を迎え、なおかつ運用資金を持っているみなさんは、非常に強い運の持ち主でしょうね。このタイミングでしがらみや先入観なく、素直に相場に飛び込める人は本当に幸せ者、素晴らしいことだと思います。

 さあゆっくり時間をかけ、大きな相場を取ることで、運用資産の増加を目指しましょう。適切な投資戦略に則り、また複利効果を享受できれば、資産を倍単位で増加させることは必ずしもハードルが高い目標ではないと思います。7桁の資産は8桁を、8桁の資産は9桁にすることを目指し、さあ、一歩を踏み出しましょう!

私?私自身も当然「9桁」を視野に入れていますし、またそれは必然的に、スケジュール的に、
時間の問題で順当に達成できると思ってます。というより、それを前提に人生設計をしていますよ(笑)。

はじめまして

はじめまして、浜口準之助でございます。このたびご縁があって、長谷川代表取締役のご依頼により、このブログを持たせていただくことになりました。どうかよろしくお願いします。まずは少々、自己紹介をさせていただきたいと思います(拙著「黄金サイクルと農耕民族型投資戦略」【パンローリング】の前書きからの抜粋)。

 私は大学を出て就職したしばらく後、あるきっかけで株式投資を始めて、この世界の魅力に取りつかれました。まあ根っからの凝り性なものですから、どんどんこの道にのめり込んで行き、そのうちになんとかこれを仕事にしたいと考え、本当に転職してしまいました。それ以降約十数年にわたり、機関投資家の株式ファンドマネージャーとして株式運用に従事しました。つまりスタートは皆さんと同じ、個人投資家だったわけです。

 ファンドマネージャーは、ものすごくやりがいのある仕事でしたよ。転職大成功、こんな面白いことをさせてもらって、しかも給料までもらってはバチがあたると、本気でそう思っていました。結果的にこの仕事が、非常に向いていたのだと思います。実際、成果も上がりましたしね。しかし2年くらいやっていると、やりがいがあるのはいいのですが、逆にある種の不安に取りつかれるようになりました。「ファンドマネージャーができなくなったらどうしようかな」「この仕事じゃなくなったら困るなあ」と。

 当時私が勤めていたのは銀行で、組織全体としては非常にゼネラリスト志向の強い職場でした。ジョブ・ローテーションたる人事異動は、2年から3年が通例です。そしてこれは当時の銀行組織特有のヒエラルキーに起因するのでしょう、ファンドマネージャーから人事部へ異動した人がいるというので、本人はさぞ失望していると思いきや決してそうではなく、人事部はエリートが集まる部署なのでこれは大出世だというんです。これには驚きましたね。私は、銀行員的な仕事をしたいとか支店長になりたいとかその手の想いはサラサラありませんでした。ゆえにファンドマネージャーにやりがいがあったその分、逆に自分の身分喪失が心配になり、何年かして突然ファンドマネージャーをはずされたらどうしようという恐怖に悩まされることになったわけです。

 でどうしたのかというと、以下の結論に達することで解決をはかりました。「じゃあ、できなくなったら個人投資家として売買をしよう」と。「会社の人事は自分ではコントロールできない。だから考えてもしょうがない。とりあえずファンドマネージャー時代に個人投資家にも有効なノウハウ蓄積をして行こう、そしてもし外れたら、そのときは蓄積したノウハウを使って自分の資産を運用しよう。『生涯一個人ファンドマネージャー』で行こう」と。この決意は正解でした。仕事にも多いにポジティブに作用しましたね。結果としてファンドマネージャーを十数年間続けることができ、その間に個人投資家向けの運用手法研究も継続でき、ひいては今後、このコーナーで説明できるようなノウハウ蓄積に至ったというわけです・・・・(続く)