米ストレステストの結果は甘い?

浜口です。先週、日本株を空売りしている人と話をしました。曰く、米ストレステストの結果は大甘なので、早晩また金融危機が再燃し、相場が下がるというんですね。そうかな?

5月15日付野村證券エコノミスト宍戸知暁氏レポートによれば、米ストレステストの損失額推定がIMFの推定より甘いという理解は間違いとのことです。以下、紹介します。ご参考まで。

曰く、某新聞の社説によれば、IMFは、米銀全体で2兆8000億ドルの損失があり、資本増強が最低で5000億ドル必要になると推定している。今回のストレステスト対象米大手十九行は米銀全体の三分の二であり、検査結果【746億ドル】を単純に1.5倍しても損失は9000億ドルにしかならず、「甘い」とのこと。

しかし実際のところ、両者の損失推定額はほぼ同額。下記の点で推計の範囲と期間が異なっているため、値が変わっているだけである。

1. IMFは、2007から2010年の4年間、の損失、一方米ストレステストは2009から2010年の2年間の損失を推定。
IMFの推定額には、2007から2008年の2年間の処理済損失が含まれている。
2. IMFは、ローンや証券の総残高に基づいて計算、つまり銀行以外に、政府機関、保険会社、ヘッジファンド、年金基金、投信、事業会社他あらゆる期間が対象。一方米ストレステストは米大手十九行が対象。

Comments

  1. また危機が発生するのは確実ですが、ストレステストではなく欧州の損失発覚でしょうね。アメリカの3倍の金融規模がありますが、損失がほとんど表面化していません。

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