リスクオフでも、円高にならなくなったのか?

浜口です。

株式市場は乱高下。日経平均は23,000円をようやく抜けてきたと思ったら、行ってこい。まぁそのうち、市場は徐々に、安定を取り戻すとは思いますが・・・・今回は為替の話。このことは最近、我々の周りでも話題になってる。リスクオフでも円高にならなくなったよねと。このことを考えてみたい。

これまでの「リスクオフで円高」は、なぜリスクオフで円高なのかで説明した、このロジックでいいんだと思います。ところが。

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これは先日、日経の番組で、武者リサーチの武者さんが説明されていたフリップ。

日本は経常黒字は多いけれども、米中とは異なり、内訳を見ると所得収支が多い。これは海外の現地生産拠点が稼いだ利益とか有価証券投資により儲けた部分。

これまで、リスクオフが発生すると、日本の対外純資産が少なからず日本へお里帰りする、それを見越して短期筋が円買い・ドル高の動きに出る」といわれていたわけですが、最近はその動きが弱い。

現状をよくよく考えると。例えば米国のトヨタが設備投資をするときは当然米ドルが必要だから、ドルのまま置いておく。また金利水準も日米ではアメリカのほうが高いから、多少のショックがあってもわざわざ日本に送金する意味もない。最近はエコノミスト・ストラテジストでこの点を指摘する面々が少し増えて来た。このことがリスクオフでも円高にならなくなった背景として、少なからず影響しているように思われますね。

今後ですが・・・アメリカの要請を受けトヨタはアメリカに大型投資をするし、日本は仕方なく、アメリカから何か品物を買う。そうなると需給面からは、トランプ政権からの対日圧力が増すと、皮肉にもそれがドル高要因になるように思えてしょうがないんだけどな。

どうなんだろうか。

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