宇野・高松フェリーがせつない

浜口です。せつない話。

最近どうも、四国に縁がある。高松に出張の折、宇野・高松間の瀬戸内海を四国フェリーに乗ってきた。
東京から四国は高松に行く場合、昭和の時代は、岡山県宇野までブルートレイン「瀬戸」で、そこからは瀬戸内海を宇高連絡線(今なら四国フェリーor宇高国道フェリー)に乗るのが定番だったと思う。
しかしながら、この船便はいつしか、旅客輸送は飛行機に取って代わられた。そしてトラック輸送は、民主党は余計なことをしたなあ、高速道路料金大幅割引が命取りになり、瀬戸大橋経由に取って代わられた。
これで船会社の経営が立ち行かなくなり、ついにこの区間のフェリー便廃業が決定された。

これは高速道路料金大幅割引の光と影、というより大きな副作用。詳細は国策に翻弄された/フェリー2社無念さにじます・・にあるとおりだが、歴史ある、宇高連絡線由来のこのフェリーが、こんなかたちで幕を降ろさなければならなくなるとは・・・・・・・はあ、なんとせつない、というか、なんと悔しい話なのだろうか・・・・
しかし・・・驚いた!!宇高国道フェリーHPにあるとおりだが、なんと、当面は運航が継続されることになったのである!暫定的だが、首の皮一枚つながった。どっこい、生きている。
これはチャンスがあるうちに乗っておかないと。当方、実はこのフェリーに乗るのは今度で2回目。前回は高松から、快晴の瀬戸内海を、ビールを飲みながら堪能した。最高にリラックスしたのを覚えてる。
今回、天気は曇りがち、しかも夕方近くではあったが、やはり抜群に良かったな。写真を。

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第八十七玉高丸という名のフェリー。車内は人がまばらだった。ダンプカーが何台も載るような大きな船なのに、乗客は20名ぐらいか。でも車は結構積まれてる。このフェリー、運航時間が一時間と短いので、車から出てこないで、寝てる人も結構多い。景色が良いのにもったいない。しかしこれが、日常というものなのかな。運転手の。
第八十七玉高丸は、ほとんど波もうねりもない瀬戸内海を、とても滑らかに走る。そしてとにかく、景色がとても美しい。瀬戸大橋からテツで見る瀬戸内海もこれはこれできれいだけど、まあ、くらべものにならないわな。それほど素晴らしい!! 

船のほうが、海のリアルさを近くで感じられ、しかも揺れない。宇野・高松航路は、海のだだっ広さだけではなく、変化が様々にあって、とにかく飽きさせない。点在する小島、行きかう船、三井造船のドックとかね。あと、遠ざかる宇野の町、一方で高松に近づくと、高松城がお出迎えしてくれる。ムード満点。感動ポイントが目白押しなので、一時間の船旅の間、ずっと絶景の海景色を見てた。

で、船では当方はテンション高く、甲板をあっちこっちと、常に歩きっぱなし。景色の見所が様々に変わるもので。傍から見たら、相当に怪しく映ってたんだろうな(笑)。まあ今回はこの後に講演会があって、ビールを飲めなかったので座っていなかったというのもあるんだけどな。甲板はジーゼルエンジンの音がそこそこにぎやかだが、Ipodを聴いていれば、これが見事に問題を解消してくれる。BGM効果で、映画で船旅をしてる主人公になったような気分で舞い上がり、また歩き回る。これまたゴキゲン、船から転落しないように注意(笑)。

もうこのフェリー、絶対におススメです。十分に、旅の主目的足る。これが廃止の憂き目に遭っているなんて・・・・時代の流れとはいえ、いやだからこそ、せつない。もったいない。これは重要文化財とかそれに準じる取り扱いをして残すべき。なんとか存続できないものか。当方が買収してしまいたいが・・・そこまで大金持ちになるには、少し時間がかかりそうです(笑)。その前に会社が廃業してしまうかもな。
最後に、有益な(?)ご提案。

このフェリー、女性を乗せると絶対喜ぶよ~。この非日常性がたまらないと思う。
男なら意中の女性を連れて羽田から高松空港に飛び、このフェリーに誘えって!日帰りで構わんから。そして港に近い「高松三越」で、キンキンに冷えたシャンパンを買い求め、あとシャンパングラスも持ち込んで、甲板で瀬戸内海を見ながら乾杯してみろって!

これは喜ばれる。劇的に評価が上がる。これで必ずなびく。フェリー廃業までがチャンス!
これは最後の手段。万一これで何も起こらなかったら、もう何やってもダメと理解しろ。あきらめろ、断言する・・・・すいません、興奮しまして(笑)。少し飲んで書いてました。お許しを。最近この手のネタが少し多い傾向は、自覚してます。

Breakout

浜口です。Breakout ということば、ご存知ですか?相場で言えば、持ち合い放れ。
「放れにつけ」という考え方。これをはじめて知ったのは、いつ頃だろう・・・・。W.D.ギャン著作集を読んで、「なるほど!」と感銘を受けたことは良く覚えてる。1993年の本。Breakoutという言葉自体をはじめて目にしたのは、おそらくラリー・ウイリアムズの相場で儲ける法これは1996年。いずれも林則行さんによるもの。当時は寝ているとき以外は概ね相場漬け、この様な本を貪るように読んでいたな。トレーディングの本も結構読んだ。懐かしく思われる。
話は変わるが、
バブル崩壊後、まだ日本経済が、それほど深刻とは思われない頃。カーラジオから、Breakoutという曲が流れていた。比較的頻繁に。別に、相場の「持ち合い放れ」がテーマの曲ではないし、日本株がBreakoutしたというメッセージでもないが(当たり前。そんな歌ありませんよね(笑))。
Yahoo辞書によれば、Breakoutは脱出, 脱獄, 脱走, 逃亡 (包囲網の)強行突破、(伝染病・火災・戦争などの)発生、吹き出物.とあるが・・・この曲のタイトルの趣旨は、「抜け出すぞ!」「さあ、ハジケよう!」といったところか。流れてくる歌詞を断片的に聞き取ると、これはポジティブ・シンキング系女子に向けてのメッセージという感じ。「ついにブレークするときが来た」「躊躇するな」「生きる道を見つけろ」「言いたいことを言え」といった、前向きなニュアンスが随所に聞き取れる。うーむ、やはりどこか相場とオーバーラップするな。
歌っているのは、Swing Out Sister。当方、彼らがどんなミュージシャンかは知らなかったし、関心もなかった。印象的な名前だなとは思っていたが。曲がディスコっぽい(古い!)ので、おそらくはスリー・ディグリーズのようなボン・キュッ・ボーンという感じのグラマラスな黒人女性グループなんだろうなと思ってた。名前もSwing Out Sister「s」だと思ってた。
ふとしたことで、you tubeで検索してみたら、
Swing Out Sister – Breakout (1989)を発見し、驚いた!
これがかの・・・ポジティブ・シンキング娘か・・・
初めて見たSwing Out Sisterは、上品でスリムでヒラヒラしたイギリス人女性中心の3人組だった。ドリカムは、これをお手本にしてるんだろうな。
ビデオを見ると、この女性の撮影アングルは、顔のアップ以外は下から見上げる角度が多い。これは君臨してるイメージ、アーチストを偉大に見せる基本だな。エンジュクの講演会は、この角度では撮りませんよね(笑)。
Breakoutは、聴けば元気が出る。文句なしに明るくなる。Breakout~と、知らずに口ずさんでいたりする。これは良い。おススメですな。
え?相場へのsuggestion?
うーむ、Breakout銘柄を探す一手か?
しかし・・・これは20年近く前の曲か・・・少年老い易く、学成り難しというが。。。
でも当方は今も、進取の精神は20年前と変わらないつもり。人生は前進あるのみ、Let’s Break out!!!・・・ということか。お後がよろしいようで。

予土線

浜口です。ipadで学童のヒーローにで登場した、予土線について。
仕事で高知から松山へ移動。これが予想以上に足が不便。鉄路だと土讃線、多度津経由で4時間。予土線経由だとなんと、待ち合わせ時間込み5時間54分!うち予土線のみの乗車時間は、1時間58分だが。バスだと、JR四国の「なんごくエクスプレス」で2時間半。これが最速。
三択だが、当方迷わず、予土線経由で。人生最初で最後の予土線完乗チャンスかもしれないし。
この線に関し、まずはwikipediaの説明から引用します。
予土線(よどせん)は、高知県高岡郡四万十町の若井駅から愛媛県宇和島市の北宇和島駅に至る四国旅客鉄道(JR四国)の鉄道路線(地方交通線)。愛媛県と高知県を結ぶ唯一の鉄道路線で、土佐くろしお鉄道中村線と予讃線を結んでいる。高知県内では四万十川の上流部に沿って走る路線であることから、「しまんとグリーンライン」の愛称が与えられている。
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伊予と土佐を結ぶ予土線は、右へ左へ大きく曲がりながら流れる四万十川に寄り添い、のんびりのんびりと走る。川は蛇行しているので、何度か鉄橋が川を横切る。そんな風景の繰り返しが、家地川ー真土の45.5kmに渡って展開される。この区間を55分かけ、一両の気動車がゆっくりゆっくり進んでいく。つまり予土線に乗れば、四万十川を1時間弱分かけ、いろんな角度から見物できる。いいでしょう?(笑)
川に沿って鉄道を走らせると、その箇所はトンネルを掘らなくてすむ。だから山岳地帯を通る鉄道は、川に沿って線路が敷かれるケースが多い。特に明治から大正にかけて敷設された鉄道は、長大トンネルの建設を避けるため、川によって作られた谷をさかのぼり、トンネルを極力短くするルートが選ばれる傾向が顕著だった。これだと、風光明媚な鉄路ができる。
飯田線もそうですよね。その逆は新幹線。効率重視でトンネルばかり。だから楽しくない。
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写真は、車窓から見える四万十川。さすがにきれい。有名な沈下橋も見える。車だと、運転してる人は良く見えないだろうから、四万十川を愛でるには、やはり予土線が正解。
高知駅で、駅員に「予土線の遅延の可能性は?」とたずねると、「如何せん30 kmちょっとでノロノロ進む線なので、逆にそれ以上遅れることは実際、あまりない。強風・豪雨のときは運休もあるが、今日明日ならその可能性は低い。遅れるとしたら、鹿などの野生動物と接触事故があったときぐらいでしょうなあ」との話。そういうものですかね。

ipadで学童のヒーローに

浜口です。せつない話とは逆に、今回はほのぼのした話。
当方最近、ローカル線利用の出張がやけに多い。今回は高知から松山へ移動の折、四万十川に沿って走る予土線経由で行ってきた。
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宇和島行き鈍行。たった一両、クロスシートの気動車キハ32。始発駅窪川では4名しか乗っていなかったが、四万十川が車窓に登場する頃、土佐昭和から遠足の地元小学5年生が40名ぐらい乗ってきて満員に。終点の宇和島まで一緒。小学生の男の子はどうやら、毎日のように四万十川でエビや魚を取っているらしい。気動車が四万十川に沿って動いていく中、こんな話が聞こえてきた。
学童A:「(四万十川を車窓に見ながら)見てみい!この場所はオレのエビスポットや!ここで毎日エビを採ってる!」
学童B:「ここは鯉もおりそうやな!」
学童C:「そうやな、ああ、今すぐに釣りしたい」
学童B:「「そうやなあ、この汽車から、今すぐ投げ釣りしたいな!こんな風になあ(と竿を投げるマネ)」
当方たまらず、隣にいたエビ採り名人(?)学童Aに尋ねる。「エビって、四万十川の手長エビを採ってるワケ?」
「そうです。フライパンで炒めると、おいしんです。エビが赤くなって、カリカリして。これをいつも、おやつに食べてます」などと話す。恵まれてる!そしてあまりに素朴過ぎで良いな。
なぜか、大人慣れしてる子供が多い様子。「次は何ていう駅ですか?」と,向こうから尋ねてきたりする(予土線全駅名を書くのが宿題の様子)。当方、地理を確認しようと思い、ipadをかばんから取り出した。すると・・・
学童A:「それ、ノートパソコンですか?」
当方:「ipadだよ」
学童A:「ええ!!あ、ipadや!?この人凄い、ipad持っとる!
学童一同:「えええ!!これがあのipad!?TVで宣伝してるヤツ!?」「凄い!オレ、任天堂のDS持っとる人は知っとるけん、ipadは初めて!み、見せて下さい!
と皆が寄ってきました。
ここで気を良くした当方、少し大胆な行動に出る。
まず、学童一同に向け、ipadを高く掲げた。そしておもむろに例の行為、親指と人差し指で画面を拡大するアレを、「どうだ」といわんばかりに挑発的に行う。すると車内は「ワー!」とも「キャー!」とも判断できない絶叫に包まれ、ほぼ全員総立ち(笑)。同伴の先生は「腰掛けろ、腰掛けろ、汽車が傾く!」と・・・・みんな、ipad、およびそれを持っている人を初めて見たんでしょう。
いや~それにしても、当方が学童のヒーローになった瞬間でしたねぇ(笑)。
車内の雰囲気が和み、その後も彼らと話をした。しばらくしてある学童が、つかつかと私のところにやってきた。緊張した面持ちで、「イ、インタビューしていいですか?」なんていうんですよね。かわいいもんだ(笑)。遠足宿題のネタになると思ったのかな?次のようなやり取りが。
学童:「今回、予土線に乗ってどこに行くんですか?」
当方:「ん?松山だよ。」
学童:「松山で何をするんですか?」
当方:「ん?経済の講演会をする。」
学童:「どこから来たんですか?」
当方:「ん?東京だが。」
学童数名:「え!!!高知じゃなくて!東京から来たんですか?東京の人!す、凄げえ!!テレビに出てる人ですか?ニュースですか?」
当方:「ははは。そういうわけじゃないが。」
そういえば知り合いで、出たてのipadをキャバクラに持っていき、人気者になったという人がいたのを思い出した。当方は相手がお姉さんではないが・・・(笑)。
それにしても四万十川で手長エビを採っている学童、幸せですよね。でも本人たちは、その幸せに気が付かないんだろうな。だって、それが日常なんだもんな。それが当たり前の世界。
予土線は美しい線ですよ。別途また詳しく。

せつない気持ち

浜口です。
最新号のBRUTUS696号の特集は、「せつない気持ち」です。白くて、とてもインパクトのある表紙。本屋の店頭でも、結構目立ちますね。
フランダースの犬とか、荒井由美「卒業写真」の歌詞とか、さよならドラえもんとか、1987年日本シリーズ最終戦9回表2死涙の清原和博とか、92年夏の甲子園松井秀喜5打席連続敬遠とか、さまざまなせつない事例が紹介されている。正直、当方は目頭が熱くなり、どうにもならなくなる。胸が締めつけられる。一読する価値は十分ありますね。
さて一方で、日本の輸出企業も、相当に「せつない」ですよね。10/19の日経新聞一面では、「ホンダ 下期の想定レート80円 円高で見直し」との見出しが目につきました。ギリギリのコストダウンをしても、なかなかいきつくところのないまた円高。
通貨安競争なんでしょうが、そのツケが日本の輸出企業に回る。
はあ~日本の輸出企業、円高対応の姿勢が実にせつない!エンドレスかの如く思えてくる。
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しかしこう考えると、アメリカ経済ご都合主義のオバマ氏に対しては、せつない気持ちは起こらないな。全く。