G20により、リスクオフが一変するとの見方

浜口です。

さきの上海G20は、失望との見方が支配的なように思われますが…そんなことはない、現状のリスクオフムードを一変させる可能性がある。少数派でしょうが、そんな見方をしている向きがありますね。例えば武者リサーチ。

武者さんはもともと、ここもとの相場の下落、諸悪の根源は中国からの資本流出と考えていた。相場は中国次第、強気とも弱気とも言えないコメントをされていたようですが、G20の決定を受けて、強気に転じたようですね。以下、レポートの要旨を。

今回のG20は具体策に乏しいとの批判はあるが、それは違う。市場安定のために政策手段を総動員するとの声明は、投機家に対して、G20が一致して対峙する姿勢を鮮明にした。

人民元の価値維持の大義名分のため、中国は躊躇なく資本規制に踏み込むだろう。これで投機筋の人民元売りは経路を絶たれることになる。

原油価格は底入れ。今後は原油が悪役から善玉へ変わる。原油価格下落が先進国経済に対するプラス要因として顕在化するには、これまでにも18か月程度のタイムラグが必要だった。

これ以外のいくつかの要因から、市場の懸念は一掃され、年初のリスクオフムードは一変へ。

ざっと書くと、まあこんな辺り。当方も、この意見、違和感はない。日本もこれで、消費税増税の先送りや補正予算の実施等、日本の為だけではなく世界のために実施すると言う大義名分ができたんだと思う。キーワードは大義名分ですかね。

政策手段がどんな形で総動員されてくるのか、あるいはそうでは無いのか。分かりませんが、ちょっと見ものだなぁと言う気持ちにさせられましたね。

個人的には、久しぶりに相場に対して、アニマルスピリットが戻ってきた感じです。手もとキャッシュをどこで株式に投入するのかしないのか。

取り留めがなくなりました。この辺で。

景気循環論の説明力が低下?

浜口です。

米国の景気拡大期間が相当長くなっている。「景気循環論から見て、そろそろ景気後退局面ではないか?」との見方も聞こえてきます。私自身、景気循環論を用いた分析は大好きなんですが、残念ながら、この手法は最近、説明力が低下しているように思えるんですね。

在庫循環・設備投資循環・建設投資循環など、景気循環を見る指標がいくつかあります。このうち前者2つの多くは、製造業に関するもの。一方で日米の産業全体における製造業の比率は、日本が27%、アメリカが20%程度に過ぎない。年々低下してきた。一方で金融、小売り、サービスなどの第三次産業が占める割合は、日本が72%、アメリカ78%程度。年々上昇してきた。

したがって、製造業を中心に考える景気循環による分析は、ハマりが悪くなってきた。そう考えざるを得ない。う~む。このことは、個人的にはとても寂しいが・・・長い間には、産業構造には変化が起こりますよね。

でもこれを前向きに受け留めれば、ここまで長きに渡り景気拡大期間を迎えた米国が、循環論からそろそろ拡大局面が終了というロジックにはなりづらいとも言えますよね。

原油価格下落は、中国経済にはポジティブなんだが・・・

浜口です。

「中国経済が悪化したことが、原油価格下落につながっている。」そんな説明がまことしやかになされますが、ほんとか?
中国では、原油の需要は落ちていない。原油価格の下落は、やっぱり供給サイドのほうにある。これはデータがあるんで、当方はそう考えますけどね。

一方で原油価格の下落が、「原油輸入国として世界一である中国」に大きなメリットをもたらしている。この点はあんまり指摘されていない、というか、見逃されている。そんな気がします。

ちなみに2015年の中国は、輸出が前年比3.4%減少したのに対し、輸入は15%と大きく減少と。結果、貿易黒字は史上最大の黒字水準と。これは原油価格下落の影響が大きいわけですね。 2016年度は、貿易黒字はさらに増えることでしょう。原油価格が去年よりもさらに下落してますからね。
加えてまた、中国の貿易黒字の増加は、元高要因でもありますよね。

中国の景気後退と原油価格の下落は、ともにネガティブな対応として、マーケットのリスク要因として捉えられがちですが…低水準の原油価格が中国にポジティブな影響をもたらし、景気が持ち直す。元安懸念も後退する。原油安の評価、今後はそんな風に変わっていく知れませんね。まぁマーケットのセンチメント次第というところでしょうか。

う~む。ターニングポイントが、来るのか来ないのか・・・一応楽しみではあるな。

G20、資本流出対策を協議へ!

浜口です。

これは良い話。今日の日経一面。G20、資本流出対策を協議へ 新興国通貨の安定狙うと。冒頭だけ引用しますね。詳しくは紙面を。

 20カ国・地域(G20)は2月下旬に中国で開く財務相・中央銀行総裁会議で、金融市場の安定化策を協議する。市場不安の震源である新興国の資本流出への対応が焦点になる見通しだ。日本を含む先進国の当局者の間には、過度な投機資金の動きを抑制する効果を期待する声も出ている。

 足元で円高・株安につながっている年初来の市場不安の底流には、中国をはじめとする新興国経済への懸念が漂う。新興国の成長鈍化で投資資金が引き揚げ、新興国通貨の値下がりを招き、世界の金融市場を混乱させている。そんな認識がG20当局者にある。このため今月下旬に上海で開くG20会議で、財務相・中銀総裁は新興国を巡る資金の動きを議題に取り上げる方向だ。
(引用終わり)

原油の暴落、中国問題、アメリカの景気後退懸念・・・今回の株価暴落、色々と犯人探しがされてますが、中国問題が大きい。根っこにあると思う。中国は景気減速もそうですが、資本流出と、それに伴う元の暴落懸念が重い。これがひいては、原油の暴落、アメリカの景気後退懸念にもつながってる。そんな図式と考えてます。

ここが改善されれば、相場の底打ちが期待される。記事の最後は、調整は難航するかもとのコメントも書かれているが・・・G20、少し先だが、どうなるか。良い着地を祈念する次第です。

時期が来れば、悲観に振れた振り子は戻る

浜口です。

ご案内の通り、相場が大荒れですね。

でも当方は、この春山昇華さんが書かれている考え方、時期が来れば、悲観に振れた振り子は戻る、この理解でいいんじゃないかと、現状、思ってます。

参考になる考え方なので、今の相場に不安な方、あるいは現状、建玉のチャンスかなと考えてる方は、読んでみてください。但し、相場でレバレッジをかけてない、もしくはかけないことが前提になるのは、もちろんですけどね。

でも・・・自己責任で。そのあたりは、言うまでもありませんね。

マイナス金利のしわ寄せが銀行に…

浜口です。

日銀はマイナス金利を導入しました。市中銀行が日銀の当座預金に積んである、多額の資金を動かすことを意図したんでしょう。が、あらためて考えると、やっぱりこれは、銀行には辛いですね。

銀行は貸し出しを増やせれば一番いいんだが、ハードルが高い。全体として見れば、企業の内部留保は足元で、大企業中小企業問わず、史上空前の高水準。要は資金に関しては、企業は満腹状態。歴史的ともいえるほどに、企業は余剰資金を抱えているということ。これじゃ一般論から言って、追加的な貸し出しのニーズは、極めて低いですよね。難しいだろうなぁ。

となると資金を国債で運用できればいいんだが、マイナス金利導入の影響で金利は急低下。足元で国債の利回りは8年以内の期間のものは全てマイナス。買う物がなくなってきてるって。やっぱり難しい。

マイナス金利のしわ寄せが、全部銀行に来ている。これで追加金融緩和でマイナス金利をさらに拡大されると、銀行はさらに厳しいことに。この辺は黒田総裁はどう考えているんだろうか。

政府主導で、内部留保を一定以上の比率積み上げている企業に対し、吐き出させる政策を取るという手もある。具体的には、賃上げや自社株買い、増配を半ば強制的にさせるようなイメージ。この政策は結構、景気にも株式市場にも好影響を与えるように思われるが。まあ・・・難しいかな。

う~む。なんだか、難しいことばかりだな。取り留めがなくなりました。この辺で。

良い銘柄が見つかった!どこで買いに行こうかな

浜口です。

銀行株・・・頭を冷やします。で書いた通り、当銘柄を売却したので、まとまったキャッシュができた。

当方、脈なしと思った銘柄を損切りするのは、実に抵抗ない。長期に渡りファンドマネージャーをやっていく中で、鍛えられた。年金の株式運用は時価評価の世界。買値がどうとかは、全く関係ない。こりゃダメだと思ったら、即刻手仕舞い。TOPIXに勝てるかどうかがすべて。買値にはこだわらない。ここは徹底的に自ら修行して、身に付けましたね。

だからダメだと思ったら、可及的速やかに、成り行きで売る。その方が気持ちが切り替わり、精神衛生的にも良いことを知ってますんでね。まぁ自分の売り玉のロットが大き過ぎて、それが売りの気配値を下げるのは避けたい。そうならないくらいに分散したいという気持ちは、ありますけどね。

それよりも問題は、「買い銘柄が見つからない」ということ。今更、大きく上昇してる食品株とか薬品株を買う気にもならないし…でもいろいろ調べていくうち、今日やっと、「これだな」という銘柄が見つかりました。

タイミングを見ながら、ぼちぼち買い始めようと思っていますが…買うのは少し先かもしれない。相場の展開次第。原油・中国・アメリカの景気。どうなるか。

3月に利上げがある場合、破局シナリオの扉が開くとの見方・・・

浜口です。株式市場の地合いが良くないですね。

三菱UFJモルガンスタンレー証券のストラテジスト、藤戸さんの直近のレポートに、ちょっと驚かされたものがありました。紹介させてもらいます。

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写真の黄色のマーカーのところにご注目を。「FRBが3月利上げを強行した場合には、破局シナリオの扉が開くことになろう」と書いてあるの、わかりますか?

このグラフの赤線にご注目ください。Ff金利先物3月限から逆算した3月の利上げ確率は、わずか14%とのこと。マーケットの解釈は、年内は利上げがあっても1回だけ。そんなシナリオを織り込んでいる。一方でFRBは今のところ、玉虫色の見解を示してますが、年4回の利上げの可能性を排除していない。

もし3月に利上げがあった場合、どうなるか。藤戸さんは、「中央銀行には逆らえない。やっぱり年4回、利上げしていくんだろうなぁ」と、市場が素直に納得する展開をしているわけでは、ないようなんですね。

市場のコンセンサスに逆らい3月にも利上げ。利上げは年4回。そんなイメージを持たせると、マーケットはものすごいリスクオフになって、破局シナリオの扉が開くことになる。そういう解釈のようなんですね。

まあ、レポートを通して読むと、そんなに弱気でもない。あくまでリスクシナリオについて言及しているだけ。そう警告しているだけ。そう理解したいところですが・・・どうなるか。

それにしても・・イエレンさんにもこのレポート、読んでもらいたいもんだなぁ。そして十分、用心してもらいたい。そんな気がした。いずれにせよ、あまりいい気持ちがするレポートでは無かったな。なんといっても、破局シナリオですからね。穏やかでは、ないって・・・

取り留めがなくなりました。この辺で・・・・

銀行株・・・頭を冷やします。

浜口です。

考えが変わった・・・当方がこういう投稿するのは珍しいが・・・持っている1615銀行株ETF、今日、緊急避難的に、かなりのロット、寄り付きで売りました。寄ったの、6%強ぐらい下だった。これだけで、かなりの損だが、しかたないな・・・と、さすがに寄り付きは流動性、あるな。

う~む。I shall return・・・まあ、買おうと思えば、いつでも買えますからね。

メガバンクなら、配当利回りも高いし、売る必要はないかもしれない。しかし、1615銀行株ETFは銀行株全体なので地銀も多い。この地銀のところが、短期的にリスクかなと。

買い戻すのは、遠くない未来かもしれない。地銀再編の話が出たりとか・・・まあとりあえず、頭を冷やすことにします。

さてさて・・このキャッシュをどの銘柄に振り分けようか。それとも当分、キャッシュで持っていようか。算段中です。

ちょっとゆっくり、しようかな。

マイナス金利に対する、銀行株への誤解?既に日銀に積んである250兆円には、金利が付く。

浜口です。

予想外のタイミングで、日銀によるマイナス金利の話が出てきましたね。

これを受けて市場全体は大きく上がっているものの、銀行株の動きが冴えない。マイナス金利に伴う、業績悪化懸念・・・ほんとうか?どうも、誤解があるような気がしてならないと思われたが・・・実際、当方は今日、何人かにヒアリングしたら、この点が理解できてなかった。ここは重要。解説を。

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詳しくは日銀のホームページをご覧いただきたい。そうすると、こういう写真が含まれた文章が載っているんですね。今回のマイナス金利に関する説明文です。

今回の決定で、民間銀行が日銀に預けている当座預金に対して0.1%のマイナス金利がつくことになる。現在日銀の当座預金は250兆円あるんですけども(この図における基礎残高の部分)、誤解がないように。

この250兆円部分は、マイナス金利にはならないんですよ!!これまでと同じように、0.1%の金利がつく。

マイナス金利になるのは、今後、供給される資金についてなんですね。
でも銀行だって、考えなしじゃない。マイナス金利にしたくないから、国債に資金シフトしたり、J-REITを買ったり、可能ならば貸し出しに回したりして、何とかマイナス金利を避ける努力をするんじゃないか。条件が整えば、外債を買うかもしれない。とにかく、0.1%以上で運用できればいいんだって。

今日の銀行株のザラバの急落は、この辺の誤解があったような気がする。でもだんだんと日銀の声明文が読み込まれていく中で、1部の人は今回のことが銀行株に対しそんなに悪材料ではないと言うことをだんだんと意識。買い戻されてきた。そんな流れだったように思われましたが・・・。