原油安効果、徐々に顕在化?

浜口です。

先般、原油安。「先憂後楽」なんだろな。を書きました。原油安効果は一般的に、経済には半年ぐらいタイムラグがあって現実化するといわれるが・・・ガソリン価格の低下などとともに、ぼちぼち、わかりやすい形で出つつあるのかな。原油安メリットの一例を。以下は2月7日の日経新聞の記事から。

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日航、燃油サーチャージを、再度引き下げと。これは、国内から海外への旅行者に対しメリットがあるのはもちろん、海外から日本への旅行者に対しても、同様にメリットが出てくるはず。

ここもと円安効果により、海外から日本への観光客が増えているが、この状況が加速しそう。原油安が、追加的な景気対策になりつつあるイメージ。良い話ですよね。

日本から海外でも海外から日本でも、旅行者が増える状況は、個人の景況感改善に寄与する。原油安が、国内景気に対するわかりやすい強気材料として具体化する、そんな一例。当方は「始まったかな・・・これからが楽しみ」。そう感じてますが。。。どうなるか。

「原油バブル崩壊」はアメリカのQE3終了が引き金?

「原油安はアメリカのQE3終了が引き金」との仮説が、日経ヴェリタス2月3日号に記載されています。書いているのは、BNPパリバ河野チーフエコノミスト。参考になる考え方と思われますので、要旨を。一部加筆してます。

・14年10月以降の原油価格急落については、米QE3の終了が引き金だったと考えている。

・本来なら11年半ばに中国の高成長が終了し、原油の重要が鈍化した段階で原油価格は急落しても不思議ではなかった。しかしQE3が生み出した過剰流動性が原油価格を高止まりさせた。

・QE3の終了で投機マネーが流出し、原油価格の急落が始まった。それまでに大きな不均衡が蓄積され、その後遺症が現在、現れている。

・本来なら中国の高成長が終わった段階で、資源開発ブームも終焉するはずだった。しかしその後も原油高が続いたため、資源開発に携わる人達は原油高を恒常的なものと誤解し、その後も開発ブームは止まらなかった。サウジアラビアなど産油国の一部が、シェール潰しのために原油安を容認しているのではなく、行き過ぎたシェールブームによる供給過剰が、原油安をもたらしている。

さらに要約すれば、中国の高成長終了⇒本来は原油の需要減⇒ところがQE3で投機マネーが原油市場に⇒企業はHY債により資金調達を行ない、シェール開発は必要以上に加速⇒ここきてついに供給過剰が表面化。そんな流れでしょうね。

先般のエコノミスト誌では、「原油安はサウジアラビアなど産油国の一部が仕掛けたシェール潰しであることは明らか」と説明していました。しかし当方には現状、この河野チーフエコノミストの説明のほうが胎に落ちます。氏は今回のことを「原油バブル崩壊」と説明してますが、これも違和感ない見解です。さあ・・・どうなるか。

月足を見ると冷静になれる?

浜口です。

当方が保有している銘柄の1つ、日本郵船。昨年末以降、「原油の暴落」という海運業界にとっての大プレゼントがあった。当方は興奮し、頻繁に株価を見ていた。
1月30日、決算発表が注目された。今季の利益見通しは上方修正、1円増配がアナウンスされたが…、期待は下回った。株価は決算発表後に下落。2円安の352円。日経平均が68円高する一方で。

うーむ。もうちょっと強い見通し、出せないもんかなぁと一瞬は思ったが・・・気を取り直して月足を見ると、陽線になっている。

グラフは、日本郵船のここ7か月の月足で、一番右が、直近の月足、2015年1月。月間で4.76%の上昇。しかも3ヶ月連続で月足陽線。一方で、1月の日経平均株価は223円高1.28%の上昇。まぁ…ここもとの日本郵船の株価推移、是としてよさそうだな。。

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つまり、株価は知っている。円安・原油安などの好材料は、そこそこきちんと、織り込まれているということ。高値を買ってしまったわけでもなし、長期投資家なら、これはこれで問題なし。TPPも3月にかけまとまりそうだし、これからが楽しみだ。そんな気持ちになりましたな。今回の決算でポジティブサプライズが出なかったのは残念だが、一喜一憂する必要はなし。趨勢として、利益改善していれば。

今さらこんな当たり前のこと言うのもなんですが、株式投資は近視眼的になってはいけない。月足を見ると冷静になれる。そんなことをあらためて、再確認した次第です。ただし、株価が上昇トレンドにあればの話ですが。

まあこれは、当方のような長期の投資スタイルにおいて当てはまること。また、当方だからそう受け止めるのかもしれない。そういうことなんでしょう。取りとめがなくなりました。近辺で・・・

ピケティ氏の著作「21世紀の資本」の印象

浜口です。

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ピケティ氏の著作、「21世紀の資本」が話題になっているようですね。相当に分厚い本。読破するのは相当時間がかかりそうですが、東洋経済の特集記事だけでも、内容はある程度はわかる。ポイントは、r>g(資本収益率>経済成長率)の不等式ですね。要旨は下記の通り。

①「株や不動産などへの投資による資本収益率は経済成長率を常に上回る」という歴史があり、これが根本的な力となって、富裕層とそうでない層の所得格差は拡大する一方。
②一部の富裕層が富を独占する状況が問題。これを解消するためには、富裕層に対する累進課税を大幅に強化する必要がある。

ピケティ氏は②の着地が理想的としていますが、当方はそれとは異なる次元の読後感を持ちましたけどね。

①の指摘、r>g(資本収益率>経済成長率)は、まさにその通りでしょう。であれば、いやだからこそ、資産運用を積極的に行うべきである。それにより富裕層の仲間入りを目指す。その一手ではないんですか?少なくともこのブログ、投資日記stationの愛読者からすれば。

やはりこれからも、資産運用を続けていきたいな。それにより、金銭面で豊かな生活を送る。それでいいんだな。この著作は、そんな考え方を補強してくれた。当方は自分に都合良く、そんな受け留めをしましたけどね。

日本株再評価の局面へ?

浜口です。日経ヴェリタス1月 25日号の、大和証券、木内さんのコメント。記事の一部、写真を掲載した後、ちょっと、要点を列記しますね。

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製造業は生産の日本国内回帰により、ここまでの円安によるコスト増を回避、かつ、原油安メリットを享受。ゆえに企業業績は好調。

一方で円安は一服しそうで、外人投資家の日本株買いが積極化しそう。国内投資家も日本株に目を向けそう。内外投資家が日本株を高く再評価する局面が到来すると考えていると。

ここでは、新聞記事の半分ぐらいを記載。詳しくは日経ヴェリタスの記事をじっくり読んでいただきたいが…黄色くラインマーカーを引いているあたりがポイント、これで概ね木内さんの見解は理解できると思いますが…当方からすれば、違和感がない見方ですね。個人的には、10 12月期の決算発表が来週から本格化する中、今週は楽しみだな。

まぁ以上の話はポジショントークが入ってますんで、話半分で。でもやっぱり楽しみではあるな。

日銀の対銀行預金金利をマイナスにしたら?

浜口です。

欧州が量的緩和に踏み切りましたね。日本株は概ね好感している様子です。

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これは日経新聞1月23日の総合2面に掲載されているグラフ。欧州では足元、銀行のECBへの預金金利を-0.2パーセントとマイナス金利に設定していることがわかります。つまり量的緩和により市中銀行に供給されたお金をECBに預けっぱなしにしておけば、銀行は0.2パーセントの金利をECBに払わなければならない状態。

一方で日銀においては、この部分の金利はプラス0.1%。つまり銀行が国債の買取で供給された資金を日銀に預けっぱなしにしておけば、0.1%とはいえ、金利が付くと言う事。銀行にとって、無理に貸出に出さなくても、わずかながら利ざやが取れることになる。

ECBのマイナス金利は効果があるのだろうか?あるいは日銀もECBのように、日銀の対銀行預金金利をマイナスにしたらに持っていけば、銀行の行動は変わる。つまり、日銀預け金を減らして融資に回すなり他の資産に投資せざるを得なくなることで、資金が回るようになる。。。そういう展開になるのでしょうか?

その辺、未知数の部分が多いので・・・今後を注視したいところですね。

アノマリー「西暦で見た下一桁の法則」

1月18日付日経ヴェリタスの、「波乱に備える日本株投資」という記事に、太田忠さんが、以下のアノマリーを紹介されてましたね。

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記事の中身にもあるように、米国株には、西暦の末尾が5の年は株価は上昇しやすいアノマリーがあるそうです。こんなアノマリーの存在は聞いたのは初めて。なんでなんだろうな。

まぁアノマリーなので、存在する理由を尋ねること自体無意味なのかもしれないが・・・・ちょっと調べてみようかな。ご参考まで、お知らせさせていただきます。

今年もこういう形になるのか。一応、楽しみではあるな。

原油安。「先憂後楽」なんだろな。

浜口です。

しかしこのオイルの下げっぷりといったら・・・こういうのを、暴落っていうんでしょうね?

「先憂後楽」という言葉がある。本来はこれ、国のトップが、「常に民に先立って国のことを心配し、民が楽しんだ後に自分が楽しむ」ことを指す。

しかしこれを俗っぽい受け止めれば、「まず苦労が先に来るが、その後で苦労が報われ、楽しいことがやってくる」との解釈も成立する。今の相場、後者の解釈に、まさに当てはまるんだろうな。

オイルの暴落で、リスク資産を持てなくなっている世界の投資家が、持ち玉をぶん投げ分ざるを得なくなっている。それに短期筋が便乗、鉄火場になっている。まあ…そういう話ですよね?

原油安は、日本経済・日本株にとって、明らかにプラス。今は、地に足をつけて株式投資・銘柄入れ替えををする時期だと思う。オイルはどこかで下げ止まる。下げが需要を呼ぶから。どこかで下落が峠を越し、目先的な悪材料を織り込んだ後。その後、ファンダメンタルズの好材料を織り込みに行くマーケットは、どんな展開になるのかな。楽しみだ。

原油安に伴う、日本のGDPの押し上げ効果

浜口です。

日経新聞の滝田編集委員が、氏の寄稿文の中で、以下の分析をされてますね。参考になります。要点を。

①原油価格が100ドル台から50ドル台に下落、この状態が1年間続ければ、20兆円の所得が日本から流出せずに済む勘定となる。

②直近の名目GDPは年間484兆円なので、20兆円の所得が国内に留まれば、それだけで日本の名目GDPは4パーセント押し上げられる計算になる。

③但し原油の急落が始まったのが2014年10~12月からだということを考慮すれば、原油や商品価格下落などに伴う15年の名目GDP押上げは、3パーセント程度と見ておくべきだろう。

③については、原油価格がガソリン価格の下落等により実体経済に影響を与えるには、一定のタイムラグがあるからということなんでしょうね。まあいずれにせよ、この試算が正しいとすれば、ここもとの原油安の日本経済へのポジティブな影響、相当に大きそうですね。楽しみだな。

*なおこの当方のコメントの出所は、1月4日付け日経電子版有料会員限定、グローバルOutlook、「お年玉シナリオをあえて描いてみれば」です。詳しくは、こちらをご覧いただきたいと思います。この書き込みは、あくまで当方の備忘録とご理解ください。

懐かしい・・・「1984年・春季号」のチャートが出てきた。

浜口です。

年末大掃除をしていたら、「1984年・春季号」のチャートが出てきた。当方、この頃から株式に興味を持ち出し、マーケットを見るようになり、このチャートブック、買ったんだろうな。懐かしいって。ちょっと、覗いて見ましょうか。

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日経平均は1983年末にかけ、史上最高値更新、初めて1万円乗せした。年末終値は10,235円。このチャートは、1984年4月2日まで掲載されており、この日の寄り付き高値は11,050円。日経平均の1万円乗せは、よく覚えてる。「金と銀とが日経ダウを1万円に乗せました」と、解説されていた。そう、この頃は日経平均とは言わず、日経ダウ平均とか日経ダウという呼び方をしていたよな。

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この頃の主力銘柄の1つ。別子こと、住友金属鉱山。「金と銀」のうち、「金」とは産金株のこと。 「日本で金が出た!鹿児島の菱刈鉱山!」ということで、テーマ株的に相場になった。是銀もこの銘柄で、大儲けした。この頃の株式投資家の、憧れの銘柄ですね。いつかは別子をと・・・

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「銀」は銀行株。でも何故かこのチャートブックに、銀行株は掲載されていない。当時銀行株の株価は管理されており、かつ小動き。極論すれば、株とはみなされていなかった。それが動き出し、上昇に転じたのが、1984年。同様の動きをしている、証券株のチャートを。銀行株、損保株も同様の動きでした。

1984年は、産金株やガン・バイオ関連的な薬品株の、材料株物色的な相場だったな。「バイ金株相場」なんていわれましたね。その後、1985年のプラザ合意以降、金融、建設、不動産、電力ガス株主導の大相場になる。円高・金利低下・原油安のトリプルメリットを受ける銘柄ということで。ただしこの手の内需株銘柄の天井の多くは、1987年4月1日でした。それ以降、1989年年末にかけ、バブル相場に発展するんですが。

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海運会社のチャート。当時はまだ三光汽船があったんだな。ジャパンラインと山下新日本汽船は、その後ナビックスラインとなり、商船三井と合併する。業界淘汰が進んだ、最たる業種の一つですね。

ちなみに日本郵船は指定銘柄だったので、ここには掲載されていない。ページの1番最初に、トヨタや三井物産、平和不動産などと一緒に、取り扱いがされているんですね。

取りとめがなくなりました。この辺で。今年の相場を見る上で、付け加えたいことはたくさんあるが・・また。違う機会に。