米景気不安、市場揺さぶるというが、本当か?

浜口です。今日も日本株は、弱いですね。

個人的には今朝の日経新聞に、驚かされました。
昨日の米国株式、株価下落の理由を、冒頭で、以下のように解説している。

朝方発表の9月の小売売上高が、こののパニック的な相場変動のきっかけだった。前月比で0.3パーセントの減少と、市場予想の0.2パーセント減を下回る不振と。

しかし冷静に考えてみれば…0.2パーセント減の見通しが、実際は0.3パーセント減というのは…どの程度のサプライズなんでしょうか?

ほぼほぼ想定通り。0.1パーセントの減少なんて誤差の範囲。通常のマーケットならそう解釈すると思うんですが、いかがでしょうか?

まぁ現在のマーケットはそれほど、市場の悪材料に神経質になっている。それは事実かもしれませんね。その点でいうと、アメリカの小売売上高の発表がきっかけになって、ダウが一段安になったと言う日経の説明は、正しいのかもしれない。

結局のところ、足元のファンダメンタルズに基づく下げ要因は、実は大したものはない。昨日、当方が説明した、ドイツの鉱工業生産も然り。1時的なあるいは期間限定の需給要因で下げてる部分が大きい。

足元でマーケットが不安定なのは言うまでもないですが、Fundamentalsに大きな変化がなければ、相場はそのうち、落ち着きを取り戻す。むしろ現在の下落が、政策対応を催促する。心配は要らない。当方はそう考えますけどね。

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欧州景気後退説は誤解?・・・8月のドイツ鉱工業生産指数が大幅に落ち込んだ理由

浜口です。ちょっと驚いた話。

世界的に株価が下落している。こうなると市場では、「犯人探し」が始まるのが常ですよね。特に、ファンダメンタルズの変調理由を探したくなる。で、後講釈が始まる。そのほうが説明がつくから。特に、素人に対しては。

当方は、米株10月安アノマリーの理由で書いた内容、及びこのことを熟知しているヘッジファンドの便乗売りが、わずかな悪材料に伴う相場の下落率を大きくしていると判断します。NYダウ30ドル安ぐらいで良い悪材料を、200ドル安ぐらいにしてしまうイメージかな。短期的には。

今、巷で広く言われているまっとうな(?)ファンダメンタルズの悪材料は、欧州の景気減速でしょう。なかでも経済大国のドイツが良くないと。具体的には10月7日に発表された8月のドイツの鉱工業生産指数前月比は、マイナス1.5%程度が市場のコンセンサスだったが、開けてみたらマイナス4パーセント。これが衝撃的だったと。

このあたりを当方の会社の欧州を見てるエコノミストに尋ねてみた。すると氏曰く。ドイツでは例年8月は自動車生産が落ち込む傾向があり、8月に鉱工業生産指数が下振れするのは、実に実にありがちな話と。

生産が落ち込む理由はなんて事なくて、要はドイツ国内が夏休みで自動車工場の稼働率が落ちるためと。但しメーカー・工場の休みが重なると生産に混乱をきたすので、普段なら上手く秩序立てて各メーカー・工場ともお互いに休みの時期を調整するが、今年に限っては理由は不明だが、その調整がうまくいかず、結果、8月の生産が大きく落ち込んでしまったと。

しかし8月には落ち込んだ生産は、9月には既に急回復している。具体的には8月のドイツ自動車生産は8月、27.5万台に急落したが、9月には52.8万台に急回復していると。

この状況では9月のドイツ鉱工業生産は大幅は反発が必至。仮に9月がプラス3%を超えれば、今年7-9月期の自動車生産は4-6月期比増加となり、ドイツはもちろん、ユーロ圏全体の7-9月期成長率は回復が期待されると。

う~む。彼の意見が正しいのなら・・・おそらく正しいと考えるが・・・欧州の景気減速説はどこかで消えてなくなり、相場は11月あたりから回復する公算が高いが、どうなるか?

建設・・・東京と大阪の景況感の違い

浜口です。

大阪で先週飲み会があって、ある女性曰く。昨日うちの会社。建設会社ですが、倒産しました。浜口さん、どこか新たな勤め先、ないでしょうかと。う~む。

一方で当方、今週末に東京に戻り、不動産会社の人と話を。曰く。

状況は180度変わった。現在はマンション業者が困っている。ゼネコンを中心に建設会社の関心は、東京オリンピックや公共工事などに向かっている。こちらのほうが、採算がはるかに良いからと。
以前は大手ゼネコンも仕事がなくて、マンション建設の受注を積極的に受けてくれていたが、今は全然だめ。マンション業者、建設業者を見つけるのに四苦八苦と。現在マンションは、立地さえ良ければ作れば売れるのが分かっているのに・・・作れない。建設会社が受けてくれないから。困ったもんですと。

以上の話からもわかるように、現在は建設業、東京は絶好調。どうやって人手を工面するのか。これが課題。
一方でこれが地方に波及してない。大阪でパッとしていない建設会社、どんどん東京に進出してくればいいのにな。心からそう思いましたね。

違った言い方をすれば、建設・不動産が活況である状況は、東京にいればリアルに分かる。いろんな場所で、都市開発が進んでいる。例えば丸の内の次は大手橋、そして三越前。それ以外の地域も・・・・でも東京以外に住んでいないと、そんな状況、ピンとこないんだろうなぁ。

とりとめがなくなりましたので、この辺で。地方の投資家は、旅行がてら、東京に来てみたほうが良いように思われましたね。

米株10月安アノマリーの理由

浜口です。今回も10月5日付け日経ヴェリタスの記事から。

米株が9月から10月かけて下落しやすいアノマリー。これは投資家の間では既に、幅広く認識されていますが、理由がいまひとつ、わからなかった。

ヘッジファンドの解約時期と重なるとか、世界大恐慌やブラックマンデー、911テロや、リーマンショックなど、9月から10月にかけ、アメリカでは悪いことが起こりやすいとか…様々な推測がなされていましたが、いささか説明力不足。まぁ説明がつかない株価の変則性であるからこそ、アノマリーと言われるわけではありますが。

ここで大和証券の木内氏が説明している説。これによる部分が最も大きいというか、説明力があるような気がしますね。ご参考まで。貼り付けておきます。

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円安メリット銘柄

10月5日付の日経ヴェリタスの一面タイトルは、「株高イベントに乗れ・・円安・政策の恩恵で有望な銘柄は」という勇ましいもの。その中に、「円安進行で今期営業益の上ぶれ期待が大きい銘柄」が掲載されていました。具体的にはこれですね。

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う〜む。ポジショントークだが…円安はやはり海運株のメリットが大きい。これは分かり切っていることですし、だからこそ当方は、日本郵船を買っているわけですが…具体的に新聞の記事になるのは、悪い気分はしない。この記事も含め、これから円安メリットが再評価されるのではないか。

そう期待しているところですが・・・・どうなるか。

特段材料がないのに市場は乱高下。で、然るべく後講釈が・・・

浜口です。

なんだか先週の市場は、不思議な動きでしたね。当方の所には、相場が急落しているが、どうなっているんだとの問い合わせが、相次いだ。う〜む。特に銀行の投信販売員を中心に、心配性の人が多いなぁ。

10月1日は、指標の発表ラッシュだった。日本は日銀短観、アメリカはADP雇用統計、ISM製造業景気数、中国は製造業PMI。

日銀短観はまずまず。アメリカADP雇用統計はまずまず。ISMはイマイチ。中国は大きな変化なし。
つまり、ファンダメンタルズに大きな変化は無い。

しかし、10月1日の米国株は急落。翌日の日本株もツレ安で急落。で犯人探し。アメリカでエボラ出血の発病者ありとか、欧州の景気が振るわないとか。

要はどこかのヘッジファンドあたりが、株式買い円売りポジションを、比較的多めにに減らした。それだけの話ですよね?

ファンダメンタルズに変化がなくても、売りたい人がいれば、一時的に相場は下落する。でも所詮ファンダメンタルズに根ざした動きではないので、売りが一巡すると、相場は真空地帯を戻す。

そんなことが年に何回かあるもんです。昨日は米雇用統計が堅調、NYダウも200ドル以上の上昇。まあこれは、ADP雇用統計がまずまずだったから、特段材料視されなくても良いと思うが…

まあ、来週からは日本株も、正常化するんだろうな。

「甦る建設株」と・・・

浜口です。

最新号のエコノミストの特集、これですな。

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エコノミスト曰く:
「アナリストの間では、現在の株価はまだ3合目に過ぎない。長期上昇を予想する見方が多い」と。

一方で例えば、清水建設社長のコメントによれば:

「同社の株価を『3合目』と言う証券アナリストもいるそうだが、そこまででは無い。

営業利益は2014年3月期で260億円。1993年3月期は1,600億円があったので、まだ上がるとの見方もあるかもしれないが、当時は市場全体の株価水準が高く、お客さんにも余裕があった。今は違うと。

う~む。アナリストの見通しが強気すぎるのか、清水建設社長のコメントが控えめなのか。
これは、終わってみないとわからないことではあるが…以下のエコノミスト誌のコメント。

アベノミクスで上場来高値を更新した銘柄もある不動産株に比べると、建設株はまだ出遅れているとは言える。

これはまあ、妥当な見方でしょうね。さぁどうなるか。いずれにしろ・・・建設株、楽しみではあるな。

一週間、関東の本宅に。相場については、高見の見物を。

浜口です。

先週は為替のボラティリティ、出ましたね。それ故、月曜は一服という感じ。材料で尽くしとまでは、いえないとは思いますが・・・・日本株についてはまあ、ソフトバンクが安いし、225は甘い展開ですね。

ドル円は、一気に7円近くの円安。当然、利食い売りが出てもおかしくはない。仮に期間限定にせよ、円高になった場合、日本株は今度は、ゼネコン株辺りの出番になる。そんな好循環に、なるのかならないのか・・・

当方は今週一週間、休暇で関東の本宅に戻ってます。相場については、ゆっくり、高見の見物。次の一手を考えるとしますな。基本、強気維持ではありますが・・・どうなるか。

スコットランドが独立否決と。

浜口です。

スコットランドが独立否決、「権限移譲進める」と首相との報道が。

良かった良かった。これで市場の混乱は、免れた。

今週は、FOMC、イエレン議長の講演とこのスコットランドの話、場合によっては株式市場を大きく揺さぶる可能性があったが…両方とも、穏やかにクリアー。まずは安らかに、週末を迎えられそうですな。よかよか(笑)

会社四季報と日経会社情報

浜口です。

新しい会社四季報と、日経会社情報が発売になったんですね。当方はどちらも、オフィスでもらえるんで、今日はちょこっと、本屋さんで立ち読みだけしてきました。

今は、会社四季報の方が人気があるんだろうなぁ。CD-ROM版も充実しているようだし。

当方がファンドマネージャーをしていた頃は、基本、ファンドマネジャーは日経会社情報を使っていた。

その理由は、会社四季報は、東洋経済のアナリストが業績予想をしている。一方で日経会社情報は、企業の業績見通しをそのまま掲載しているだけだから。

日々アナリストからのプレゼンを受ける立場であるファンドマネージャーは、日経会社情報を用いて、企業の業績見通しとアナリストの業績見通しが、どのような理由でどのように違うのか。その点が最大の関心事だったからですね。素のまま会社の業績見通しが欲しかったというわけです。

一方で個人投資家は、東洋経済のアナリストが出している業績見通しに興味がある。しかも日経会社情報と比較すると、さらに一期先まで、業績見通しを出してくれている。この点がありがたいという事なんでしょうね。

当方は今は、いつでもアナリストの意見を聞ける立場にはない。したがって会社四季報を中心に、銘柄発掘、企業の業績見通し予測を行っています。取り止め無くなりました。この辺で。